近畿福音ルーテル教会について

近畿福音ルーテル教会の歩み

 近畿福音ルーテル教会は、ノルウェー伝道会日本伝道団(NMS)とノルウェー・ルーテル自由教会日本伝道団(LFCN)によって形成された教会です。
 NMSは1842年に組織されたノルウェー国教会監督制の流れを汲む宣教団体であり、LFCNは1877年に組織され、本国では長老制を採用している団体です。
 NMSとLFCFは20世紀初め中国(当時中華民国)において宣教活動を開始し、20世紀中頃の同国の政情不安定の中でもその宣教活動を続けてきましたが、中華人民共和国の成立とともにその宣教活動に困難を来たし、中国での宣教活動を断念し、宣教活動を日本へと切り替え1951年に宣教を開始しました。
 そして1961年11月3日、近畿地方で伝道していたNMSとLFCNの14の教会が集まって近畿福音ルーテル教会が誕生し、1980年11月3日宗教法人近畿福音ルーテル教会が承認されました。
 現在では、近畿福音ルーテル教会からタイへ宣教師を派遣しており、世界宣教の働きに参加するまでに至りました。

ルーテル教会とは?

 「ルーテル教会」は、歴史ある正統派キリスト教会で、その名称は、ドイツの宗教改革者マルティン・ルターの名前に由来しています。
 16世紀初め、ルターは、聖書が真実に人間に語りかけようとしている「福音」を教会に取り戻そうと、「聖書のみ、恵みのみ、信仰のみ」という3つの基本原則を掲げ、教会の改革に取り組みました。当時の教会は、それまで「救い」とは、人間の努力や良い行いによって得られる」と主張し、人々に重荷を負わせることに専心し、ついには金銭で救いを売るほどまでに堕落していました(免罪符の販売)。しかし、ルターは、救いは、神の無条件の愛によって、信じる者すべてに与えられる神の恵みであり、それはイエス・キリストの十字架と復活によってもたらされたと説き、以降、多くの人々がルターに賛同し、多くのプロテスタント教会が生まれました。
 宗教改革まで、聖書はラテン語と決まっており、多くの庶民は聖書を持つことはおろか、読むことさえできませんでした。そこでルターは、どんな人でも聖書が読めるようにと、聖書を原語(へブル語・ギリシャ語)から母国語であるドイツ語に翻訳しました。また、人々が歌いやすいような讃美歌を数多くつくりました。そのようにしてルターは、物心両面でイエス・キリストの福音を人々に分かりやすく、また身近なものとしたのです。
 ルーテル教会は、ルターの流れを汲むキリスト教会として、福音を伝えながら、ドイツから北欧に、そして北欧からアメリカへ、やがては全世界へと広がり、現在、全世界で約7000万人の会員数を数えます。日本では、今から約100年前に、アメリカからの宣教師によって最初のルーテル教会が生まれました。(日本福音ルーテル教会)。そして約50年前に新たにアメリカ、ノルウェー、フィンランド、ドイツなどから宣教師が来日して、新たなルーテル教会系の教団が誕生しました。(日本ルーテル教団、近畿福音ルーテル教会、西日本福音ルーテル教会、フェローシップ・ディコンリー等)現在、日本には、約270のルーテル教会が存在しています。